Story ライフタイムスポーツを楽しむ人たちの物語。
#030 ジョサイヤーさん
—効率では測れない時間が、次の自分をつくる。ゴルフが教えてくれた余白の時間。

都市のスピードに身を置きながら、あえて遠回りをする。効率や合理性が求められる時代において、その選択は一見すると非効率に映るかもしれない。けれど、そうした“余白”があるからこそが、自分を次のステージへと押し上げてくれることもある。
今回話を聞いたのは、モデルとして活動する一方で、モデル事務所「pomme_management」を経営するジョサイヤーさん。プレーヤーでありながら、約20名のモデルのマネジメントやキャスティングを担う彼の毎日は、常に複数の意思決定と隣り合わせにある。
そんな彼が、あえて月に一度必ず設けているのが「ゴルフ」の時間だ。
仕事の延長で出会い、気づけば夢中に
「ゴルフとの出会いは、独立したばかりの約4年前です。クライアントに誘われたことがきっかけだったので、最初は完全に仕事の延長でした。」
当初は“付き合い”という側面が強く、ジョサイヤーさんの中で優先順位が高いものではなかったという。
「正直、最初はそこまで期待していなかったんですが、やってみたら全然違ったんですよね」


ゴルフは4人1組でラウンドするスポーツだが、スコアはあくまで個人。誰かと同じ時間を共有しながらも、向き合うのは常に自分自身だ。
「ミスしても、うまくいっても、全部自分に返ってくる。言い訳ができないんですよね。その分、プレー中は自分と向き合う時間が増えました。」
一打一打に集中し、結果を受け止め、また次の一打に向き合う。
その繰り返しのルーティンの中で、自然と集中力が高まり、精神的にも研ぎ澄まされていく。
「普段はマルチタスクで動くことが多いんですが、ゴルフのときは不思議とひとつのことに深く集中できるんです。自分を新しい境地に連れて行ってくれるような感覚があります。」
気づけば、単なる仕事の延長だったはずのゴルフは、彼にとって欠かせないものへと変わっていた。
思考を整えるための、大事なプロセス
ジョサイヤーさんにとって、ゴルフはプレーだけで完結するものではない。むしろ、その前後の流れにも大きな意味がある。
「ゴルフ場までは趣味のバイクで行くこともあるんです。ゴルフバッグは事前に送って、身軽な状態で移動します。」
風を受けながら走る時間は自然とひとりになれる時間でもある。
「移動中はスマホも触れないですし、強制的に頭が切り替えられるんですよね。その間に自然と考えが整理されていく感覚があります。」
日々、さまざまな情報や判断に追われる中で、思考は無意識のうちに蓄積されていく。
そのままでは、次のアウトプットの質も鈍ってしまう。
だからこそ彼にとって、“何もしない時間”こそが貴重なのだ。インプットを重ねるのではなく、一度フラットな状態に戻す。
ゴルフに向かうまでの時間もまた、その一日を整える欠かせないプロセスになっている。

一日を通して、ちゃんと“整う”
プレーを終えたあとは、温泉に入り、食事をする。その一連の流れは、彼にとって欠かせない“締め”の時間だ。
「自分の中では、サウナに近い感覚かもしれない。でも、それ以上かもしれないですね。」
体を動かし、汗をかき、自然の中で過ごす。そして湯に浸かり、ゆっくりと身体をほぐしていく。
「一日を通して、ちゃんと“整う”んです」
ゴルフはただのスポーツではなく、心身をリセットするための機会でもある。
特に早朝から始まるラウンドは、生活リズムにも良い影響を与えているという。撮影当日は愛犬も一緒に、プレー後は近辺を愛犬と楽しむ一面ものぞかせてくれた。

また、ゴルフを通じて交友関係も広がったという。
「年齢も性別も関係なく、一緒に回れば自然と仲良くなれる。共通の話題があるって強いですよね、コミュニケーションツールとしては最強だと思います。」
初対面でも、同じコースを回ることで距離が縮まっていく。以前は敷居が高いと感じていたゴルフも、今では同世代の仲間たちとより深いコミュニケーションを生み出す場になっている。
遠回りのようで、必要な時間
どれだけ忙しくても、月に一度は必ずゴルフに行く。それは彼の中で、明確な“ルール”になっている。
「効率だけを考えたら、削れる時間だと思います。でも、それでも行くようにしています最初は誘われていましたけど、今は自分から誘う側ですね(笑)」

ゴルフには、プレーそのものだけでなく、移動や準備も含めて、まとまった時間が必要になる。けれど彼にとって、その時間はただリフレッシュだけでは終わらない。
「移動やプレーを含めて、自分と向き合う時間があるスポーツなんですよね。深く集中できるから、終わったあとにアイデアが浮かびやすい感覚があるんです。頭の中が整理されているからだと思います。」
情報を入れ続けるだけでは、アウトプットは磨かれない。一度立ち止まり、余白をつくることで、思考は再構築されていく。
遠回りのようでいて、結果的には最短距離。ゴルフは彼にとって、忙しい日常の流れから少し離れ、自分の感覚を整え直すための大切な時間になっている。
忙しさの先にある、意味のある遠回り
プレーヤーとして現場に立ち、同時にマネジメントも行う。
二つの視点を持ちながら走り続ける日々の中で、彼はあえて“余白”を選ぶ。

「ずっと走り続けるだけだと、どこかでズレてくる気がするんです」
一度立ち止まり、自分と向き合う時間を持つ。ゴルフは、彼にとってそのための最適な手段だった。
自然の中で身体を動かし、思考をリセットし、人と関わる。そのすべてが、次の自分をつくる要素になっていく。
「忙しいからこそ、こういう時間は必要だと思っています」
効率だけでは辿り着けない場所がある。少し遠回りをすることで、見えてくる景色がある。
ゴルフが彼に教えてくれたのは、プレーの楽しさだけではない。自分らしく走り続けるために必要な、“余白”の持ち方だった。
Text :Kosei Toda
Storyとは「ライフタイムスポーツを楽しむ人たちの物語」
私には私の、あなたにはあなたの。スポーツの楽しみ方は人それぞれ。
⾃然の中で⾝体を動かすライフタイムスポーツを楽しみながら、人生を彩り豊かに過ごしている方は活力があり、魅力にあふれています。
その方たちは決してプロばかりではありません。
このコンテンツ「Story」では様々な楽しみ方で、自然とスポーツとともに日々を過ごしている人たちを取材し、ライフタイムスポーツの魅力とは何かをコンテンツを通して皆さんと一緒に感じていきたいと思っています。









